ミュージシャン中島みゆきさんの楽曲に「糸」という作品があります。
サビの部分は「縦の糸はあなた 横の糸は私 織りなす布はいつか誰かを暖めうるかもしれない～織りなす布はいつか誰かの傷をかばうかもしれない～逢うべき糸に出会えることを人は仕合せとよびます」という歌詞です。 歌詞からも分かるように この曲は人との巡り合わせを歌ったものです。人を糸に例え人と人が出会うことで布ができる。恋人はもちろん友人や先輩・後輩など人との巡り会いを重ねることで人は幸せになれるという意味だと考えることができます。今ここでいう糸は 生徒のみなさんと先生方自身であり この学校で皆が巡り会い 一つ一つの糸が紡がれ織りなされた膨大な布が 筑豊高校だと捉えて皆さんに考えてほしいことがあります。
この１学期間を振りかえり 嫌な思いを誰かにさせた または嫌な思いをした人 ＳＮＳを通して誤解がとけぬまま 今に至っている人 いじめられているけど相談できずに苦しんでいる人 死んだ方がましだ 死にたいと考えている人
人は生まれてきた限りはたくさん理不尽なことや苦しいこと悔しいことに直面します。そして必ず 許し 許され ごめん もういいよ を繰り返し成長をしていくものだと思います。きつい、苦しい事があるならば周囲の友人、先生方へ相談してください。
必ずこの巡り合わせの中で解決してくれる人がいる 最後はいじめている人が「ごめんなさい」と伝える場が必ずあるはず。死にたいと思っている人がいるならばあなたの苦しみを理解し話をしっかりと聞いてくれる人がいる。 それは あなた一人の命ではなく みんなにとって大切なかけがえのない命だからです。
「一期一会」 筑豊高校における約３７０名の出会いは 日本の人口 １億２６８６万人 全世界の人口は約７８億人と考えるならば、まさに奇跡の出会いと言っても過言ではありません。皆さんにはこの出会いを大切にしてほしい。 周りに困っている人がいたら話を聞いてあげてください。いじめが目の前にあるならばみんなで止めてあげてください。もし友人関係のトラブルや家族の事など個人的な悩みを打ち明けられずに孤独でいる人がいるならば手を差し伸べてあげてください。
「何か元気ないね 相談のるよ」 「相談があるんだけど」 勇気を振り絞って 言葉にしてみてください。 必ず 糸が紡がれ 優しい布があるはずです。
さて、いまだコロナ禍ではありますが、こうして皆さんと一同を介して無事に１学期の終業式を迎える事ができ 大きな喜びを感じているところです。ここで1学期のみなさんの頑張りを振り返ってみると、まずは「それぞれの夢実現」へ向けて朝課外や土曜講座、各種模擬試験や検定、日々の授業に積極的に取り組んだ生徒の皆さん、よくがんばりました。生徒会活動の取り組みとしては、ブロックマッチ春・夏の陣を生徒全員参加のもと成功裏に終えたこと 生徒総会へ向けてＳＤＧｓに関する事前学習及びクラス別事前討議をとおして、総会においては「ふくのわプロジェクト」への参加が採択されたこと、とても斬新な取り組みとして高く評価できます。先日は３年生の修学旅行の代替え行事として実施された研修旅行での思い出づくり、立派な旅行になりました。そして学科集会等を通じて商業科・ 生活デザイン科としてのプライドの醸成、そのプライドを活用すべく校内外における実習活動や地域連携、放課後や休日を返上しての検定試験へのチャレンジ等、さすが実学の筑豊であると感じています。 また、部活動においては陸上競技部、ビジネス部の全国大会・九州大会出場、書道部の全国大会への出展、水泳部の九州大会出場をはじめ様々な部活動が県大会や地区大会において、筑豊プライドをもって頑張ってくれました。 令和４年度、筑豊高校は１１４年目の歩みを一歩一歩確実に進めていることを、校長として大変嬉しく思っています。
さあ明日からの夏休みですが、3年生の皆さんは進路実現へ向けて計画的かつ効率的な夏休みを過ごしてください。就職希望者は就職試験解禁まで６２日、ラスト２ヶ月です。 進学希望者は受験先の選定、合格へ向けての取り組みを具体化してください。この夏を制する者が、きっと自分色の夢を実現するのではないでしょうか。 １・2年生の皆さんは、この夏休みに自らの進路探究の一環として、希望進路の方向性を決定させたり、特に２年生は積極的に大学や短大、専門学校等へのオープンキャンパスへの参加を期待しています。また規則正しい生活を心がけ、日頃はなかなかできない家庭におけるお手伝いやおじいちゃんやおばあちゃんへ顔を見せに行ったり、ここに今ある幸せはご先祖様があっての姿形です。可能であるならばお盆はお線香の一つでもあげにいってはいかがでしょうか。この事は３年生にも言えることです。 そして部活動生のみなさん、毎日暑い中みんなで一つの目標へ向かって頑張っている姿、応援しています。筑豊プライドをもって、この暑い夏を乗り越え次なる大会やコンクールにおいて目標が達成されることを期待しています。
「暑さ感じる身体に感謝」 皆さんが健康で 幸せであり 大きな事故やケガ等がなく充実した夏休みであることを心から願い 式辞といたします。
令和４年7月１５日 校長 杉野 晴一 |