花々は一斉に咲き誇り、木々はやわらかな緑に包まれた、今日の佳き日、ＰＴＡ会長 川口 修様、同窓会会長 長谷川 裕一様の御臨席を賜り、福岡県立筑豊高等学校 令和四年度入学式を挙行し、新入生の輝かしい前途を祝福できますことは、私ども教職員にとりましても、誠に喜ばしいことであります。
ただいま入学許可をいたしました、商業科７９名、生活デザイン科３９名、計１１８名の新入生の皆さん、入学おめでとう。筑豊高等学校の生徒並びに教職員一同、皆さんの入学を心から歓迎します。皆さんは、入学試験を見事に突破し、本校で三年間を過ごすこととなりました。本日の喜びは、皆さんのたゆまざる努力によるところであることは言うまでもありませんが、これまで御指導くださった中学校の先生方、陰に日向に支えてくださった保護者をはじめ、周囲の方々のいたわりや励ましの賜物であることも決して忘れてはなりません。
本校は、明治四十一年、直方女子実業補習学校として創立され、幾多の改称を重ね 戦後の昭和二十一年に福岡県直方南高等女学校、二十三年の学制改革により直方市立直方商業高等学校と改称され、翌年8月に福岡県立筑豊高等学校となり、平成２０年に植木からここ頓野の地に移転し現在に至っています。平成３０年度に学校創立１１０周年を向かえた、１１３年もの歴史と伝統のある学校であります。卒業生は二万七千有余名、各界各層で活躍しておられ、卒業生相互の交流や後輩への支援のための同窓会活動も活発に展開されております。
本校は、『誠実』『親愛』『創造』という校訓のもと、社会の変化に対応し、社会の一員としてその発展に寄与する力を持った有為な人材を育成することを目指しております。『誠実』とは、「礼儀を重んじる秩序ある学校であり、責任感を持った正直な生徒であろう」 『親愛』とは、「地域に親しまれる学校であり、人の気持ちを理解し、自他を大切にする生徒であろう」 『創造』とは、「生徒の個性・能力・適性を伸ばす学校であり、何事にも挑戦しようとする意思と創造性を持った生徒であろう」 という意味です。新入生の皆さんには、これから始まる高校生活の三カ年で、自分の良さを生かすことのできる道を探しながら、意欲を持って前に進んでもらいたい。その際、学業にせよ文化芸術あるいはスポーツにせよ、何事も当初思い描いた通りには進まないものです。どこかで躓き、痛みを伴うこともあるでしょう。しかし、そこであきらめて自分の思いや目標を捨て去ってはいけません。痛みをこらえて努力し、いつしか、その痛みを乗り越えることで、自己の成長があり、能力の伸長が期待できるのです。
また、本日から高校生活が始まる新入生の皆さんに、もう一つ自覚してもらいたい事があります。それは「学べるありがたみを忘れないで欲しい」ということです。世界には発展途上国を中心に約六千七百万人もの未就学児童がいます。世界を見渡せば、高校に入学でき就職や進学ができることは当然のことではありません。入学にあたって、皆さんには、「学べるありがたみ」を再認識したうえで高校生として学ぶことの意義を考えてみてほしいと思います。学ぶことは、新しいことを知り、できなかったことができるようになることです。それによって社会のルールに乗っ取って生活ができ、仕事が得られれば、自分の人生を彩りのある豊かなものにすることができます。また、学べば学ぶほど新しい世界を知り、目のあたりにし、幸せになるための選択肢が増えることでしょう。そのためには夢を持つことです。先ずはその夢を見つけるために、夢があるならばその実現のために。自分を信じて決してあきらめず、学び続ける姿勢を大切にしてください。三年後に皆さんそれぞれの夢が実現することを期待しています。
終わりに、高い所からではございますが、保護者の皆様に一言御挨拶申し上げます。 本日はお子様の御入学、誠におめでとうございます。高校時代は、時に心や身体が大きく揺れる時期でもありますが、生徒たちの健やかで逞しい成長は、家庭と学校の共通の願いであります。お子様のより良い成長のために、家庭と学校が心を一つにして、教育に当たって参りたいと存じます。本校の教育活動に対して御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げまして、式辞といたします。
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