式辞
先ずは本校在籍、1年生１１７名、２年生１０９名、全員の進級が決定し、本日無事に令和５年度第三学期の終業式を迎えることができました。みなさん、進級おめでとう！ これも偏にみなさんが「あたりまえの事をあたりまえに」学校生活を送ってきたからではないでしょうか。そして、筑豊高校生としてルールや約束を守り、生徒相互が尊重し合うことで、安心して学校生活を送れる環境をみなさんが作ったからこその今日この日です。
しかし、忘れてはいけないことがあります。それは、いつもみなさんを支えてくださる御家族への感謝、時には厳しく、時には優しくみなさんを導いてくださる先生方への感謝、そして、みなさんを大切にしてくれている仲間達への感謝です。
今や我が国どころか世界のスーパースターである大谷翔平選手ですが、何故彼はあれだけの成績を残し、人気があるのでしょうか。彼は今の自分があるのは御家族をはじめ、高校時代の野球部の監督や日本ハムで二刀流を確立した時の栗山監督のおかげで今の自分があるものと感謝の気持ちを抱いて大リーグでプレイをしています。あれだけの成績を残せば、おごり高ぶる一面があってもおかしくはないと思いますが、常に謙虚で礼儀正しく、自分自身にストイックな姿勢、そして、審判やボールボーイへの紳士的な対応、丁寧なファンサービスなど、その生き方が少なからず、あの素晴らしい成績やメデイアやファンを魅了する人気の理由のようです。そんな彼が高校時代から今も続けている事、それはフィールドやベンチのそばに落ちたゴミを拾うこと、その理由は「人が捨てた幸運を拾っている」と答えています。ゴミを拾うことは「幸運、つまり良い運を拾うことになる」と考えているのです。この考えはみなさんと同じ高校時代に野球部の監督から学んだそうです。そしてその継続が今の成功を、言い換えれば幸運を拾うことになったのではないでしょうか。当然我々が想像しがたい努力と苦労があっての成功ですが、大谷選手の生き方の根底には、どんなにスーパースターになっても「周囲の方々への感謝の気持ち」を忘れないこと、自らの天分を活かすために、常に努力を重ねることがあったのではないでしょうか。例えが大谷選手であるとみなさんにとっては異次元と感じるかもしれませんがそうではありません。大谷選手が送った高校生活の中で落ちたゴミを拾うところから彼のサクセスストーリーは始まっています。みなさんも同様、自分の考え方、生き方次第で素晴らしい人生を送り、大きな成功をつかむかもしれません。であれば、明日からの春休みは、みなさんの素晴らしい人生、大きな成功へ向けて新２・３年生としていかなる努力を重ねていくのか、明確な目標を立て、助走をしていく大切な２０日間です。
そうです。新２・３年生として筑豊プライドを胸に抱き、令和６年度へ向けて準備を行う時がやってきたのです。私は常々、何か事を成し遂げるために「準備８割 仕事２割」という言葉を大切にしています。言い換えれば準備をしっかりと積み上げているからこそいい仕事ができるということです。みなさんも新年度４月８日の始業式へ向けて万全の準備をさっそく始めてください。具体的に、その準備とは二つ。 一つは「自分の将来について目標を立てること」 二つは 「大切な後輩 新1年生を迎える準備を行なうこと」
一つについては、この春休みに進級後の目標や将来の夢をいくつかピックアップしてみましょう。漠然とした目標や夢でも結構です。目標が定まれば、おのずとやるべき事が目の前に現れます。このルーティンこそが希望進路実現、学問や検定試験、文化芸術や部活動への意欲につながります。 何事もスタートが肝心です。新学期にＢＩＧスタートが切れるよう、この春休みの「目標設定」を期待しています。
二つについては､新たなる出会い､大切な後輩 新1年生を迎える準備をお願いします。令和６年度の「チーム筑豊」づくりはここから始まります。本年度のスローガン「彩れ～自分らしく 自分の色で～」から令和６年度の新スローガンへと継承し、長谷川生徒会長を中心に全校生徒で素晴らしい筑豊高校を築いていってください。
新学期４月９日に不安と希望を胸に、新1年生が入学をしてきて一番最初に目の当たりにする先輩たちの姿が、彼ら彼女らの不安を解消し、希望に満ち溢れた高校生活のきっかけを与えることになります。その先輩たちの姿とは後輩から尊敬される振る舞いができるかどうか、先輩がお手本である学校は安心・安全な学校だとよく言われます。年齢は一つ・二つしか変わりませんが 新入生から見た先輩は、４つも５つも先輩に見えるものです。それだけに上級生としての影響力が大きいことを自覚し、新一年生が安心して学校生活が送れるように、みなさんの温かいサポートを期待しています。
本日は、この1年間の頑張りをお互いに称えあうと同時に、新年度への決意を新たにするとても大切な1日です。何はともあれ、こうしてみなさんと無事に三学期の終業式を迎えることができ心から嬉しく思います。
我らが筑豊の学び舎にも、春の空気が満ち溢れ、桜の蕾がほころび、校庭の花々が一斉に咲き誇る春を迎えました。 ４月８日の新学期に上級生としての自覚ある溌剌とした姿のみなさんに会えることを心から願い式辞といたします。
令和６年３月１８日
校長 杉野 晴一 |