本日ここに全校生徒のみなさんと共に第3学期の始業式を迎えることができ大変嬉しく思います。改めまして、新年明けましておめでとうございます。
みなさんはどのような新年を迎え、そして今年の目標を設定しましたか。私は毎年、元旦の早朝、32年前に結婚式をあげた神社までジョギングで初詣に行きます。そこで、無事に新たな年を迎えることができたお礼と今年の目標を心の中で言葉にしています。そして、境内から臨む福智山の裾野からオレンジ色に輝く初日の出が姿を現します。365日、毎日昇る朝日と何ら変わるはずもないのですが、気がつけば 、しばらくの間ご来光へ向かって手を合わせている自分に気がつくのです。神様へのお願い事としては一つだけ、「世界平和と我が国の安寧を祈る」、かなり かたぐるしい願い事ですが私たちが幸せな人生を送る上において、とても重要な基礎的環境要素 であると思っています。基本的に私は自分のお願い事は極力しないように心がけています。何故ならば、幸せとは自分自身が努力を重ね、自分の力でつかむべきだと思っているからです。この考えには私と妹を育て上げてくれた両親の生き様が大きく影響を与えています。私の父と母は、いずれも兄妹が多く、その長男と長女であり、中学を卒業と同時に就職せざるをえない、高校に行きたくても行けない貧困家庭で育ったと聞いています。そして、私と妹が小さい頃、両親は「この子たちに同じような思いはさせちゃいかん」と、必死で働いたとも聞いています。自分自身の努力で父は会社に勤めながら整備士の資格を、母は美容師の資格を取得し美容室を開業。二人とも仕事と勉強を両立させながら通信制高校へ通い、高校卒業の資格も取得。血のにじむような努力を重ね、貧しくとも幸せな家庭を築きあげました。ここに集う生徒のみなさんも、それぞれの生い立ちと家庭環境がある中、悲しい思い、辛く苦しい思いをしている生徒もいるでしょう。また、何不自由なく生活が成り立っている生徒もいることでしょう。いずれにしても、自分自身が信念を持ち、自分の人生は自分の力で切り拓いていくしかありません。幸せの価値観は、人それぞれだとは思いますが「幸せ」をつかむためにも、みなさんの目の前にある可能性とチャンスを生かして欲しい。是非とも自ら行動を起こし、夢と希望を叶えるために努力を重ねていく1年間にして欲しいと願っています。
明治から昭和を生きた我が国の哲学者 三宅 雪嶺氏の名言「できぬと思えばできぬ。できると信じるがためにこそできる事がある。あきらめるな 最後まで」という言葉があります。私自身教師として、また剣道を志している者として、今なお大切にしている言葉です。チャレンジもせず、最初から「できない」「無理だ」「ありえない」ではなく、「夢は実現させるためにある」「やってやろうじゃないか」の心意気をもって目の前にある可能性とチャンスを生かし、自分自身の未来を切り拓いていってください。
3学期は4月から始まる令和5年度へ向けての準備期間です。3年生は卒業後の新たなステップに向けて、2年生は3年生として希望進路の実現へ向けて、1年生は後輩を迎える2年生として確実な準備を、そして、みなさんそれぞれの 「幸せ」へ向けてのアクションを期待しています。 この新しき1年が本校にとって、一層の発展を遂げる年となるとともに、生徒の皆さんが健康で喜びに満ちあふれる大きな飛躍の1年になることを祈念して式辞といたします。
令和5年 1月 6日 校長 杉野 晴一 |
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