式典での挨拶

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令和5年度 卒業証書授与式 式辞

最終更新日 [2024年3月6日]  

第75回 卒業証書授与式 式辞
 校庭の樹木にもいつしか春の息吹が感じられる今日の佳き日、第七十五回卒業証書授与式の挙行にあたり、県教育委員会をはじめ、御来賓並びに保護者の皆様の御臨席を賜り、卒業生の人生の門出を祝福できますことは、卒業生はもとより、私ども教職員一同にとりましてもこの上ない慶びであり、心から感謝申し上げます。  本日晴れて卒業証書を手にされた101名の皆さん「卒業おめでとうございます」 みなさんは、本校入学後、「誠実・親愛・創造」の校訓のもと、学業や学校行事、各科の特色ある取組や検定試験、そして部活動にと、お互いに励まし支え合い、本日の卒業を迎えました。三年間よく頑張りました。
 思い返せば、みなさんは三年前、人類史上、経験のないコロナパンデミックの中、本校へ入学し、様々な教育活動が制限を余儀なくされる中にも2年次には修学旅行が実現し、昨年5月には新型コロナウイルスが、感染症法上、第5類へと移行、閉塞感漂う学校生活から解放され、最上級生である本年度は三大行事の全てを見事に成功させることができました。学年、学科を越えて全校生徒が力を合わせた「ブロックマッチ」、様々な趣向を凝らし各委員会・部活動、そしてクラスが一つになった「文化祭」、3年生の集大成でもある発表と展示をもって有終の美を飾った「課題研究生徒実践発表会」、みなさんが最上級生であったからこそ、一つ一つの行事が成功し、後輩たちのお手本となり縦と横の糸を紡ぐことができたものと感謝しています。
 こうして、みなさんは本日めでたく卒業の日を迎え、「高校時代」というステージから次なるステージへと歩みを進めていきます。進学し、より専門的な学問を身につけていく人、 就職して社会人となり、経済的に自立していく人。それぞれ、その新たなる「旅立ち」への不安と期待、そして自分の力で道を切り拓いていく希望に今、満ち溢れていることでしょう。
 さて、 みなさんが歩みを進める 令和の時代は更なるグローバル化の進展や絶え間ない技術革新、進化した人工知能AIやIOTが活躍するSociety5.0と呼ばれる時代でもあり、 それらが社会や生活を変えていくと言われています。しかし、日々進化していくこのような社会情勢の中にあっても、人は人であり、人としていかに生きていくべきなのか、私は「論語」にある「和して同ぜず」という言葉を大切にしています。「和して同ぜず」とは、「自分の周囲の人たちと、仲よく協力はするけれど、自分の意見を持たず、周囲の人たちの考え方にわけもなく同調してしまうようではいけない」 という意味であり、「和する」とは「協調すること」 「同ぜず」とは「主体性を失わないこと」 つまり、「周囲の人たちと力を合わせ、なおかつ自分らしさを失わないことが大切なのだ」と解釈しています。「自分らしさを失わない」ために大切な事とは、人として確固たる見識を持つことです。言い換えれば、私が校長としてこの2年間みなさんへ伝え続けてきたこと、「 生涯を通して常に学び続ける人であってほしい」ということです。 学問にしろ、資格・試験、仕事に係る専門的な分野にしろ、趣味でもそうです。グローバルな視点からは海外への旅行や留学もそうでしょう。この世の中には私たちが知らないことは限りなく存在しています。学ぶこととは新しい事を知り、できなかった事ができるようになることです。学べば学ぶほど新しい世界を知り、見たことのない景色が目の前に広がります。人生は一度きり。悔いなき人生を、そして学び続ける人生を着実に歩み続けてください。
 最後に我が国の実業家であり松下電器産業の創設者、松下幸之助氏の「道をひらく」からの一節を紹介し、みなさんへの餞の言葉といたします。

「道」 
 自分には自分に与えられた道がある。天から与えられた(天与の)尊い道がある。どんな道かは知らないが、ほかの人には歩めない。自分だけしか歩めない二度と歩めぬかけがえのないこの道。広い時もある。せまい時もある。のぼりもあればくだりもある。坦々とした時もあれば、かきわけかきわけ汗する時もある。
 この道が果たしてよいのか悪いのか、思案にあまる時もあろう。なぐさめを求めたくなる時もあろう。しかし、所詮この道しかないのではないか。
 あきらめろと言うのではない。いま立っているこの道、いま歩んでいるこの道、ともかくもこの道を休まず歩むことである。自分だけしか歩めない大事な道ではないか。自分だけに与えられているかけがえのないこの道ではないか。
 他人の道に心をうばわれ、思案にくれて立ちすくんでいても、道は少しもひらけない。道をひらくためには、まず歩まねばならぬ。心を定め、懸命に歩まねばならぬ。
 それがたとえ遠い道のように思えても、休まず歩む姿勢からは必ず新たな道がひらけてくる。深い喜びも生まれてくる。【松下幸之助「道をひらく」より】

 みなさんには無限の可能性があり、そして、今後必ずや、いくつものチャンスが訪れます。学び続ける姿勢を大切に、そして自分を信じ、自分の道を逞しく「前へ」歩みを進めていってください。    
 結びに高い所からではございますが、保護者の皆様に一言、御挨拶を申し上げます。
 お子様の晴れの御卒業、誠におめでとうございます。健やかな成長を願う中にも身体の成長著しい一方で心が激しく揺れ動く多感な時期を深い愛情をもってお子様を支えてこられたことに対しまして深く敬意を表します。また、その間、一貫して本校の教育活動に対し御理解をいただき、温かい御支援・御協力を賜りましたことに対しましても厚く御礼申し上げます。筑豊高等学校は今後も地域に根ざし一層の発展を遂げることができるよう、生徒と教職員が一丸となって努力して参ります。保護者の皆様におかれましては今後とも末永く御支援・御声援を賜りますようお願い申し上げます。
 それでは、卒業生のみなさん、名残も尽きませんが、101名それぞれに与えられた尊い道が目の前に広がっています。さあ、スタートラインへ。新たな人生の旅立ちです。君たちが向かう果てしない大地の行く手に、幸多からんことを心から祈念し式辞といたします。 

令和六年 三月 一日
福岡県立筑豊高等学校
校長  杉 野 晴 一
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